東京五輪の延期について心境を語る楢崎智亜選手=25日午前、宇都宮市内、柴田大輔撮影

 東京五輪の延期決定から一夜明けた25日、スポーツクライミング複合の男子代表に内定している金メダル候補楢崎智亜(ならさきともあ)選手(宇都宮市出身、TEAM au)が宇都宮市内で開かれたKIZUNAスポーツ大賞表彰式に出席し、下野新聞社の取材に心境を語った。

 -24日夜に1年程度の延期が決まった。

 「正直びっくりした。五輪が延期なんて聞いたことない。だが仕方ないのかなと思う。日本と海外では感覚も違い、そんな状況でやるのは難しい。嫌だとかそういう感情はない。いつやるかが決まれば、それに合わせてトレーニングするだけ。日時は早く決まったらいい」

 -延期の影響は。

 「モチベーションの保ち方は難しいと思うが、体の面ではより強化して完成度を高められる。ただ周囲の完成度を考えると、今年やった方が勝てるかなと思っていた。欧州人よりもアジア人、日本人の方がレベルが高く、1年で(勢力図が)だいぶ変わるので」

 -延期が決定するまでの心境は。

 「どうなってもいいと思っていた。自分自身がコントロールできないこと。気にしていてもストレスになるだけ。決定を受け入れるしかない」

 -予定されていた他の大会も開催延期されている。

 「現状、国内外で出ようと思っていた5、6戦が延期や中止になった。(5月16、17日の)複合ジャパンカップもほぼほぼ白紙。(五輪代表選考の解釈を巡る)国際スポーツ仲裁裁判所の判断も延期になるかも、と聞いている」

 -モチベーションは落ちないか。

 「楽しく登っているので、それは大丈夫。今は自分の弱点を埋める作業。ただ次の大会が見つからないと、トレーニングの期間や強度も決められない。試合勘は落ちる。年間を通して研ぎ澄まされていく部分があるので、怖い面もある。刺激が足りない」

 -弟の明智(めいち)選手(TEAM au)の反応は。

 「そんなにマイナスには捉えていない。伸びしろがたくさんあるので、あと1年あったら明智には有利に働く。選手選考は、現在決まっている選手はそのままいくようなことを聞いている。裁判所の判断次第だが、1年延期で、兄弟出場の可能性も少し高まるかも、という話をした」

 -県民へメッセージを。

 「前向きに考えていくしかない。自分自身がより高い完成度で最高のパフォーマンスを見せられるように努力していくので、1年間、待っていてください」