今年の東京マラソンは、上位陣の高速の展開がレースを盛り上げ、記録への期待でわくわくさせられたが、途中、先頭集団を先導する白バイにふと目を奪われた▼ハンドル上部の透明な風よけのウインドスクリーンに大きな文字がステッカーで張ってある。「サギには留守電」。はっきりと読み取れた。おれおれ詐欺など特殊詐欺対策のスローガンだが、警視庁が注目レースを利用した巧みな広報・啓発と言える▼白バイ隊員はレース途中にアップで映し出されて紹介されるため、当然、目立つ。特殊詐欺への唯一無二の防御は「電話に出ないこと」とされる。留守番電話で相手を確認すれば、被害には遭わない▼警視庁によると、“白バイ作戦”の開始は昨年の箱根駅伝。同年3月の東京マラソンなどでも実施し、今回で5回目。当初のスローガンは文字が多くて小さく、見えづらかった。今年の箱根駅伝から新スローガンにして文字も大きくなり、インパクトが増した▼特殊詐欺の被害額は減少傾向にあるが、昨年も約301億円に上った。警察は取り締まりや捜査だけではなく、あの手この手で広報に腐心している。今回の大会後、ツイッター上で反響があり、効果が期待できそうだ▼「格好良い白バイが台無し」。にべもない感想もあったというが、それも注意を引いた証しだろう。