学童保育を「安全な居場所に」と訴える日本学童保育学会の増山代表理事=20日、宇都宮市内

臨時休校の児童が利用している学童保育=13日、宇都宮市内

学童保育を「安全な居場所に」と訴える日本学童保育学会の増山代表理事=20日、宇都宮市内 臨時休校の児童が利用している学童保育=13日、宇都宮市内

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、臨時休校の受け皿となった放課後児童クラブ(学童保育)の研究者らでつくる日本学童保育学会は22日までに、「安全・安心を守る居場所とするため」の緊急声明を出した。宇都宮市在住の増山均(ましやまひとし)代表理事(早稲田大名誉教授)は「学童保育が子どもの命を守る“とりで”であることがはっきりした。整備の遅れを解決する機会」と訴える。新型コロナウイルス対策だけでなく、制度面などの抜本的対策を求めている。

 声明には、面積基準(子ども1人当たり1・65平方メートル)の低さ、職員不足などから「(学童保育は)ウイルスのリスク回避という点では学校以上に危険な場所」と記載。マスクや消毒液の早期支給などとともに、面積基準引き上げや資格を持つ職員の複数配置など「運営と経営が安定的に維持できるよう公的・社会的支援が必要」と要請した。

 共働きや核家族化を背景に、学童保育はクラブ数も登録児童数も増加の一途。県によると、県内では昨年5月現在、658クラブに2万5493人が登録している。大多数のクラブが臨時休校に伴う開所要請に対応したが、宇都宮市内のクラブに勤務する50代支援員は「規定を超える11時間以上の労働や休日返上でしのいでいるのが現状」と打ち明ける。

 学童保育が児童福祉法に明記されたのは1997年で、保育所と比べ歴史が浅い。面積基準や受け入れ児童数などの運営基準は「目安」に過ぎず、自治体に判断が委ねられているのが実態だ。増山代表理事は「学童保育の方が小学校より開設日数も滞在時間も長いが、小学校の教員数40万人に対し、学童保育の職員数は9万人。あまりにも大切にされていない実態がある」と指摘する。

 今回の休校対応で学童保育の必要性が広く再認識されたことを踏まえ「量の確保、質の向上、理念の確認-の三つの課題がある。施設の条件を良くし、職員の力量を高め、中身を豊かにしたい」と話している。