新型コロナウイルスの感染者が県内で初めて確認されてから22日で1カ月がたった。国内の感染者がクルーズ船の乗船者を除き1千人を超える中、県内では4人にとどまり、感染経路が不明な市中感染も出ていない。県は「感染が広がっている状況ではない」とし、過度な心配はせず手洗いなどの感染防止に努めるよう呼び掛けている。同時に、今後感染者が拡大した場合の準備も急務としており、医療提供体制の整備を進めている。

 先月22日、県内で感染が初確認された60代女性は、集団感染したクルーズ船の下船者。現在も入院中だが症状は悪化していないという。今月5日に判明した2人目の30代女性は、集団感染のあった大阪市のライブハウスに滞在していた。12日付で退院している。

 18日には3人目の40代女性の感染が発覚。タイに滞在し、現地で感染者との接触があった。20日判明の4人目の50代男性は、感染が拡大しているポルトガルから帰国後の発症だった。4人はいずれも県外で感染し、重症化していない。濃厚接触者らへの感染も確認されていない。

 こうした状況から県は、19日の政府専門家会議の見解も踏まえ、本県を「感染状況が確認されていない地域」に該当すると判断した。県主催イベントは「一律に中止や延期を求めない」などと改定し、市町や民間のイベントについても県の基準を参考とするよう周知した。

 政府要請の一斉休校については、大田原市と茂木町を除く23市町立学校と全ての県立学校で春休み前まで休校を実施しているが、20日の市町村長会議で荒川政利(あらかわまさとし)県教育長が「今の状況であれば、感染対策を十分取った上で再開してもいい」との考えを示した。

 一方、感染期に備えた医療提供体制の整備も課題だ。県内で入院可能な病床は、感染症指定医療機関7カ所の30床にとどまる。受け入れ態勢を拡充するため18日には同機関医師や各地の医師会関係者らとの協議会を開き、情報共有と意見交換を行った。4月にも開催し、各医療機関の分担などを明確化する方針だ。