マスクを手作りする病院職員ら=19日午後、鹿沼市下田町1丁目

 新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、県内でもマスクの品薄状態が解消しないままでいる。命を守る最前線の医療機関では備蓄が減り続け、医療従事者以外の職員らに手作りのマスクを支給し始めた病院もある。入荷のめどが立たず、薬局は「謝るしかできない」と客への対応に苦心。自治体の備蓄にも徐々に影響が出始めている。国は増産に力を入れているが、関係者からは「恩恵が感じられない」と嘆く声も上がる。

 「マスクが尽きたら、診療がストップしてしまう」。上都賀総合病院(鹿沼市下田町1丁目)の十川康弘(とがわやすひろ)病院長(64)は危機感を募らせる。病院では1日400枚以上を消費するが、2月以降は「供給が全く追い付かない状況」という。

 備蓄を温存しようと、2月から職員総出で使い捨てのマスクを手作りし始めた。不織布を折り重ねてミシンで縫い、耳に掛けるゴムを通す。約5千枚作り、直接患者と接しない職員などに支給。診療に当たる医師らには従来通り医療用を支給している。斎藤由利子(さいとうゆりこ)看護部長(62)は「せきやくしゃみの飛沫(ひまつ)の予防になれば」と期待する。

 県南の医療機関は職員1人当たり1日1枚までなどの使用制限を設けた。担当者は「自助努力でやりくりするしかない」。政府は3月の供給量が6億枚を超えるとの見通しを発表したが、別の医療機関は「恩恵は感じられない」と漏らす。

 薬局やホームセンターなどでも、マスクの品薄が続く。

 「2月以降の入荷は1箱30枚入りが10個程度。次の入荷も見通せず、お客さまに申し訳ない売り方しかできない」。下野市川中子の「ホームセンターカンセキ小金井店」の岸陸次(きしりくじ)チーフ(56)は悔しさを口にする。「本日、入荷ありません」の張り紙を連日、店頭に掲示しているという。

 不安の声は自治体からも。那須塩原市は「マスクの備蓄がじわりじわりと減っている」。益子町は「今はマスクも消毒液も注文しても入ってこない。医療や介護の現場など、本当に必要な人の所へ届かない状況は何としても避けたい」とした。