「野州」の冠名で知られ、本県が全国一の出荷量を誇る麻。原料の大麻から製品になる部分を剥いでいくと、中空の芯が残る。これが麻殻である。「おんがら」または「おがら」と読む▼高い所から風に乗せて投げると、どこまでも飛んで行ったという。旧西方村(現栃木市)出身で県陸上競技協会理事長の渡辺方夫(わたなべのりお)さん(65)が幼い頃の遊びである。長くて薄く軽いため、こつが必要だったろう▼本県の小中学生が苦手なボール投げ。将来、何の役に立つのか、という声も聞く。だが遠く投げるには肩の強さだけでなく、つま先から指先までを瞬間的にタイミング良く使うことが求められる。基礎的な運動能力や指先の器用さが必要なのだ▼渡辺さんいわく「遠投は力ではなく筋肉と骨の連動。ものすごい複合動作」だ。腕は、両肩を水平に結んだ線より肘を上げ、ボールを耳か頭の後ろに持つ。タイミング良く振りだし、手首を利かせ最後に指先で弾くのが基本だそうだ▼ボール投げが上手になるメリットを「いろんなスポーツを楽しめるようになり、人生が豊かになる」と力説する▼3メートルほどの高さに張ったひもに向かい、紙飛行機を投げる練習が効果的だという。後にやり投げのロンドン五輪代表となった海老原有希(えびはらゆき)さんを育てた名伯楽のアドバイスである。試してみてはいかが。