新型コロナウイルスの感染拡大で事業主や労働者の相談に対応するため、栃木労働局が開設した特別相談窓口に、この約1カ月で700件を超える相談が寄せられたことが20日までに、分かった。件数は、窓口を開いた2月14日から今月18日までで767件(速報値)。業績悪化で従業員を休業させた企業に支払う「雇用調整助成金」に関する相談が約6割を占めた。

 栃木労働局は、河川付近など一部地域に被害が集中した昨年の台風19号でも同様の窓口を設けた。相談件数は207件で、昨年中に落ち着いたという。これに対し、感染拡大の影響が全県に及ぶ今回は4倍近い件数となった。

 相談は2月は約2週間で60件余りにとどまったが、今月に入って急増し、最初の1週間で300件に迫る相談があった。

 相談者は事業主からが397件で最も多く、次いで社会保険労務士162件、労働者131件。

 相談内容は「雇用調整助成金」が445件と58%を占め、「休業」96件、「解雇・雇い止め」16件と続いた。

 業種別に見ると、製造業が111件で最多。感染拡大で輸送業界全体が打撃を受ける中、観光に加え出張を控える動きもあり、バスやタクシーの道路旅客運送業が69件と続き、飲食業61件、宿泊業40件、卸売・小売業35件、労働者派遣業31件などとなった。

 今春就職予定の学生らの採用内定取り消しが、全国では宿泊業などで12社20人(17日時点)出ているが、今春の新卒内定取り消しに関する相談はなかった。同労働局職業安定課の担当者は、「問題が長引けば状況が変わるかもしれない」と注視する。

 同労働局は10日、県内の4経済団体に、雇用維持などを求める要請書を出している。