放射性物質を含む指定廃棄物を巡る問題で、環境省は19日、県内6市町の農家が一時保管する農業系指定廃棄物全てを再測定した結果、放射性セシウムの自然減衰などにより保管量の80・7%が国の基準値(1キログラム当たり8千ベクレル)を下回ったと発表した。同省は今後、保管農家の負担軽減を図るため、市町ごとの暫定集約の議論を進める方針。

 牧草や堆肥などの農業系指定廃棄物は日光、大田原、矢板、那須塩原、那須、那珂川の6市町の123農家が2993・2トン保管し続けている。

 再測定は2016年にも実施され基準値を超えた量は半減したものの、農家保管分は全体の1割程度の抽出調査だった。今回の再測定は指定廃棄物の暫定集約に向け、焼却などで体積を減らす減容化や保管場所の選定などに役立てる目的で、昨年7月下旬~11月下旬に全農家で調査した。

 保管量のうち19・3%の576・3トンが基準値を超える一方、2416・9トンが基準値を下回った。放射性セシウム134の半減期は約2年とされることなどから、時間が経過し濃度が自然に下がったとみられる。

 同省の事前推計に比べ、基準値以下の量は多い結果となった。同省によると、指定廃棄物の申請時、濃度の高い部分を試料採取した可能性などが考えられるという。

 基準値を下回ると指定解除が可能となり一般廃棄物として処理できる一方、処理責任は国から市町に代わる。市町には「国の責任で処理すべきだ」との意見もあり、同省担当者は濃度が下がったとしても「指定解除を押しつけることはない」と説明。県も「8千ベクレル以下が非常に増えたが、指定解除されない限り処理責任は国にある。今後も国と市町の調整役を果たす」としている。

 同省は今後、再測定結果を踏まえ、市町村長会議などの開催を検討しているという。担当者は「(暫定集約に向け)できるだけ早く見通しを立て、少しでもステップを進めたい」と話した。