きょう20日は春分の日。仏教では彼岸の中日に当たり、墓参りをする人も多いことだろう▼墓参に引っ張られ、春分の日は先祖を敬う祝日だとばかり思っていたら、さにあらず。祝日法では「自然をたたえ、生物を慈しむ」日とある。「先祖を敬い、亡くなった人々をしのぶ」のは秋分の日の役割だそうだ▼そう言われれば、のどかな春は野辺を彩る草花をめでながら先祖の霊を慰めるには絶好の季節だ。生き物たちもがぜん活気づく。〈日も真上春分の日をよろこべば〉(林翔(はやししょう))▼平年だと宇都宮気象台による開花日が3月下旬となるタンポポ。今年は暖冬の影響で既に9日に観測されている。県立博物館の星直斗(ほしなおと)学芸員によれば、本県で普通に見られるのは在来種のカントウタンポポと外来種のセイヨウタンポポの二つという。カントウは開花して1、2週間後には綿毛となって風に舞う▼同時季に咲きだす植物にオオイヌノフグリとホトケノザがある。犬の陰嚢(いんのう)とは散々な名前だが青紫の花はかれん。赤紫のホトケノザは、七草がゆでおなじみのものとは全くの別種というからややこしい▼未曽有のコロナ禍で巣ごもり状態が続く昨今だが、人混みを避ければ屋外に出るのは差し障りはないという。春うららかな日にかわいらしい花々を足元に見つければストレスも解消できそうだ。