新型コロナウイルス感染拡大を受け、選抜高校野球大会の中止が決まった。それを伝える紙面には、ひのき舞台に立てない選手たちの悲しみと諦めの声があふれた。

 銀傘、大歓声、白球を追う球児たち-。どれが欠けても、甲子園という“劇場”は成り立たない。過去に取材で訪れた際も、それぞれが強烈な存在感を放ちながら一体となり、物語を紡ぎ出していた。

 2012年春、本県から出場した作新高の選手たちは、入場行進を終え「拍手も温かいと感じました」と話した。聖地は努力に見合った経験を与えてくれる。今回思いを果たせなかった選手たちは、この春の思いを力に変え夏に向かってほしい。

 野球以外も今春の全国高校選抜大会は中止となった。夏の全国高校総体(インターハイ)に向けた腕試しともなる機会だけに、選手たちの落胆は想像に難くない。

 若き県勢の活躍を楽しみにされている読者も多いことと思う。この春の紙面は、やや物足りないものになりそうだ。