市におしぼりを寄贈したる添田社長(左から2人目)

 おしぼりレンタルなどを行う栃木県さくら市氏家の三協は16日、さくら市に紙製抗菌おしぼり1万1千本を寄贈した。同社は創業50周年を目前に控えた昨年末、火災で本社工場が全焼。市や県内外の同業者の支援を受けて再建を進めてきた。添田泰弘(そえたやすひろ)社長(45)は「気持ちもようやく整理がつき、工場も年内までには再建のめどがついた。支えになってくれた人への恩返しも含めて、役に立てれば」と感謝の思いを託した。

 今年1月に創業50周年を迎えた三協は、おしぼりやタオル、玄関マットなどのレンタル業。氏家の本社・営業所をはじめ、県内と福島県に10営業所を構える。

 添田社長は、父で現会長の敏夫(としお)さん(72)の後継者として昨年8月、社長に就任した。その約4カ月後の12月26日未明、鉄骨2階建て約1700平方メートルの本社工場が漏電により全焼。工場内にあった大型洗濯機や乾燥機械など、4億円相当分を焼失したという。火と煙が上がる現場に駆けつけた添田社長は「体の震えが止まらず、過呼吸になった」と振り返る。

 市は商品を保管する倉庫確保のための協力や、パート従業員が再就職するための説明会開催などでサポート。県内外の同業20社は、布製おしぼり約20万本の洗濯をしてくれることになった。洗濯の協力に応じた宮城県名取市、セイホウサービスの中村幸江(なかむらゆきえ)社長(62)は「東日本大震災の津波で仙台市の店舗が跡形もなく流されました。再開しようとした時、添田さんが助けてくれた。今は当たり前のことをしているまで」と話す。

 「再建までは同業者に協力を仰ぐことになります。募金箱を設置してくれたお得意先もあり、どう恩返ししたらよいか」と添田社長。新型コロナウイルスの感染拡大で多くの人が影響を受けている今こそ手助けしようと、紙おしぼりの寄贈を決めた。

 贈呈式前に添田社長と懇談した花塚隆志(はなつかたかし)市長は「人の気持ち、痛みが分かる中でおしぼりの提供、協力に感謝したい」と話した。