「(休校は)学習の楽しみを見つけるきっかけになりうる」と話す溜池教授

 新型コロナウイルスの感染防止を目的に多くの小中高校が臨時休校となり、保護者の間で子どもたちの学力低下を危惧する声が高まっている。だが、教育方法などが専門の溜池善裕(ためいけよしひろ)宇都宮大教育学部教授(60)は「この時間は子どもたちが学ぶ楽しみを見つけるきっかけになる」と前向きな学習活動を呼び掛ける。家庭でできる学びの手法について聞いた。

 溜池教授は、勉強時間の減少や生活リズムの乱れによる成績低下の可能性を指摘しながらも「テストの点数の変化は怖くない」と断言する。自分で考え、友達を大切にするといった「テストで測れない学力の方が子どもたちにとって大切」だからだ。

 今回の休校中の学習として推奨するのが「子ども自身が興味のある分野で疑問を見つけ、とことん調べること」だ。「『やらされる学習』ではなく、『やる学習』に展開し、学びの楽しさに目覚める」と効能を語る。

 取り組みのイメージは自由研究。「なぜリンゴは赤いのか」「なぜ人は働くのか」など「普遍的で素朴な問い」をテーマに設定すると、より高い学習効果があるという。

 学習のきっかけづくりに「毎日日記を書く」ことも勧める。書く力を身に付けながら、出来事を記録していく中で「ふとした疑問を子どもが自らつかむことができる」という。

 大人が子どもをサポートする際は「先回りはNG」とくぎを刺す。「子どもの興味関心を観察し、相談しながら手助けしてほしい」。大人が粘り強く子どもの学習を見守る姿勢の重要性を述べた。

 休校となって約2週間。保護者らの不安は募るが「本当に生きる力につながる学習のやり方はいろいろある。今の条件を生かせる方法を考えてみてほしい」と背中を押した。