ある僧が人の幸せは四つからなる、と説いた。「人に愛されること」「褒められること」「役に立つこと」「必要とされること」。一つ目以外はすべて働くことによって得られるという▼こんなエピソードを紹介してくれたのが、横浜市にある大川印刷の大川哲郎(おおかわてつお)社長である。幸せにつながる働き方、企業の存在意義をSDGs(持続可能な開発目標)に見いだす中小企業として知られ、一昨年のジャパンSDGsアワードを受賞した▼2016年に国連サミットで採択されたSDGsは「貧困をなくそう」「働きがいも経済成長も」など17の大きな目標を掲げているが、これらは国や大企業だけでなく中小企業こそ着手する必要がある。宇都宮市主催の経済セミナーで大川社長はこう呼び掛けた▼崎陽軒のシウマイ弁当の黄色い包装紙などを受注する同社が尽力する一つが環境分野だ。C●排出ゼロを達成したのをはじめ、太陽光や風力発電を活用した「再生可能エネルギー100%印刷工場」を実現した▼「上からの押し付けではなく人ごとを自分事に」の考え方で全員参加を徹底した。多くの従業員がわくわくしながら活動を続けているという▼SDGsで会社の利益率もアップしたそうだ。地域はおろか地球の明日にも貢献する。本県中小企業にも広がってほしい取り組みである。