「子どもが話し掛けてきたら話を聞いてあげてほしい」と話す秋場さん=9日午前、宇都宮市鶴田2丁目

 新型コロナウイルスの感染防止を目的に、県内の多くの小中高校で臨時休校が始まってから9日で1週間がたった。県公認心理師協会会長でスクールカウンセラーの秋場博(あきばひろし)さん(70)は突然の長期休みなど環境の変化で、子どもたちの心身にかかる負担を懸念する。「大人は子どもが発するメッセージを受け止めることが大切」。周囲の大人が子どもたちを注意深く見守る重要性を指摘する。

 新型コロナウイルスの感染者が全国で日々増えている状況を踏まえ、秋場さんは「家族や身近な人が感染してしまうのではないかと、不安を覚える子どももいる」と語る。加えて学校が臨時休校となり、普段と異なる生活に戸惑う子もいるという。

 こうした時、子どもに現れる反応としては頭やおなかが痛い、眠れないといった身体症状のほか、情緒面では怒る、泣く、行動面ではわがままになる、年齢より幼い言動になるなどが考えられる。その際、問題行動と捉えて注意するのでなく子の抱える状況を受け入れ、可能な限り子どものそばにいて「大丈夫だよ」などと声を掛けることが大切。「自分は守ってもらえている」という感覚が子どもにとって安心感につながるという。

 秋場さんは「不安な状況の中で一生懸命に自分を守ろうとして、こうした反応が出る。周りの大人は、こういうことが子どもに起こり得ると知っておいてほしい」と強調する。

 注意が必要なのは、親が心配しすぎると、子どもも心配に感じてしまう点。親は「今日は何をしていたの」などと子どもに聞き過ぎず、子どもの様子から「今日はこれをしたんだね」と声を掛けたり、子どもが自ら話すことに耳を傾けたりするのが良いという。

 「親自身も誰かに支えられて安心していることが大切」と話す秋場さん。子どもに関して心配事があれば家庭内はもちろん、必要に応じて学校などとコミュニケーションを取ってほしいと呼び掛けている。