発見された「浮彫 四季花鳥図衝立」と石川さん

 【壬生】明治時代、浮き彫りに漆を重ね塗りする日光堆朱(ついしゅ)の礎を築いた町出身の上野桐恵(うえのとうけい)(1883~1955年)の作品「浮彫 四季花鳥図衝立(ついたて)」がこのほど、日光金谷ホテル(日光市)で発見された。日光市地域おこし協力隊の石川美弥子(いしかわみやこ)さん(31)が桐恵の作品ではないかと気付き、町歴史民俗資料館の調査で判明した。同館によると現存する桐恵の作品が見つかるのは5点目。

 発見された作品は縦173・5センチ、横72センチのついたて四連つづり。ケヤキの一枚板にそれぞれ「ハスとカワセミ」「キクとスズメ」「ショウブとツバメ」「ウメとウグイス」が彫られている。同館によると、花弁のしなやかさや、遠近感を感じる奥行きの表現などに桐恵の特徴が現れているという。

 日光彫の職人を目指している石川さんは昨年8月、若手職人とともに同ホテル内の彫刻品を見学した。その際、小食堂でついたてとして使用されていた同作品が印象に残ったという。その後、桐恵の傑作写真を集めた「写真帖(じょう)」に酷似した作品が掲載されていることに気付き、桐恵を研究している同館に連絡。木目や傷などが同一であることから、桐恵の作品であると確認された。