NPBの研修審判員として新たなスタートを切る田村さん=栃木市内

 県高野連審判部に所属していた宇工高出身の田村一馬(たむらかずま)さん(19)が日本野球機構(NPB)の研修審判員に“合格”した。同部所属審判員がNPBと契約するのは初めてで、今年は独立リーグ・ルートインBCリーグに派遣されて経験を積む。NPB審判員を目指す田村さんは「実力をつけて早く1軍の試合でジャッジをしたい」と大舞台に立つ日を夢見ている。

 理学療法士の専門学校に通いながら、NPB審判員への登竜門となる「アンパイア・スクール」を2年連続で受講。昨年12月の2次試験は「不合格ならば学校を卒業するまで受けない」と退路を断って挑んだ。約1週間にわたる実技や座学、面談をこなし、書類選考を通過した約60人中わずか4人という狭き門を突破し、4日付でNPBと契約した。

 田村さんは栃木市出身。栃木南小1年で野球を始め栃木南中、宇工高で捕手や内野手としてプレーした。しかし、右肘の関節の中に剥離した骨が残る「関節遊離体」に悩まされ、同高2年春にマネジャーへ転向した。

 「野球と接点を持っていたかった。選手では無理でも、審判ならNPBに行けるかもしれない」。裏方として働く中で、以前から抱いていた審判員への憧れが強くなった。県高野連の審判講習会に参加して基本を学び、高校卒業後は県高野連の審判部に所属して1年間腕を磨いてきた。

 今年はルートインBCリーグで経験を積み、NPBの秋季フェニックスリーグで認められれば「育成審判員」に採用される。さらにファームの試合などで評価されれば、1軍の試合を担当できる「本契約」につながる。

 178センチのスリムな体格で、昨秋の県大会では塁審を務めた。田村さんを指導した県高野連の田村豊(たむらゆたか)審判部長(65)は「若いが動きや構えはセンスがある。逸材を失うのは残念だが、早くNPBで一人前になった姿を見たい」とエールを送る。

 県内高校出身では栃工高出の飯塚富司(いいづかとみじ)さん(57)、宇商高出の長井功一(ながいこういち)さん(35)が現役NPB審判員として活躍している。田村さんは「選手のプレーを引き立たせるようなジャッジが理想。目立たなかったがいい試合だった、と言われる審判になりたい」と話している。