1984年から4期連続で県知事を務めた渡辺文雄(わたなべふみお)氏が7日夜、自宅で死去した。91歳。自宅は宇都宮市。葬儀などの日程は未定。

 渡辺氏は29年、宇都宮市生まれ。県立宇都宮中(現宇都宮高)から東京陸軍幼年学校に入校。在学中に終戦を迎え、旧制水戸高を経て東京大法学部へ。卒業後、農林省(現農林水産省)に入省。食品流通局長、水産庁長官などを務めた。

 84年7月に農林水産事務次官に就いた直後、同年12月の県知事選候補に推され、初当選。以来、16年間にわたって県政を担った。5選を目指した2000年11月の知事選で敗れ、政界から退いた。県知事在任期間は故横川信夫(よこかわのぶお)氏の15年10カ月を抜いて過去最長。

 中央省庁との太いパイプを生かし、手堅い行政手腕を発揮した。首都圏農業の確立や北関東自動車道の整備、企業誘致を推進し、県民所得を大きく押し上げた。国会など首都機能誘致にも積極的に取り組んだ。

 県のイメージアップにも力を入れ、JRや東北各県と交渉し「JR宇都宮線」の愛称を実現。中国浙江省などと友好提携協定を結び、国際交流にも尽力した。

 「とちぎ海浜自然の家」の建設、杉並木オーナー制度の導入、日光田母沢御用邸記念公園の整備など独自性ある事業も展開した。