最近、「関係人口」という文字をよく見掛ける。新しい概念で、先ごろ公表された次期県版人口減少対策「とちぎ創生15戦略」最終案などにも盛り込まれた▼総務省は「移住した『定住人口』でもなく、観光に来た『交流人口』でもない、地域や地域の人々と多様に関わる者」と定義。東京一極集中是正の一環で、都市部に住みながら地域と継続的に交流する関係人口を拡大し、将来的に移住者を増やせると期待する▼宇都宮市政策審議室に聞くと、面白い例えを示してくれた。都内などから市内にジャズを聴きに来る人は交流人口だが、演奏する団体などに入って地域住民と交流が生まれると関係人口になるという▼市が2014年から提唱する「ダブルプレイス」と考えは似ている。経済的な負担を伴う移住を強く求めず、今の居住地と、もう一つの地域との関わりを持つことで暮らしを楽しむライフスタイルである▼どちらも、新たな人の流れを作り出そうという点は共通している。関係人口は、佐野市が「佐藤さんの日」を設けて全国の佐藤さんとつながりを持ち増大を目指すほか、小山、鹿沼両市も国のモデル団体として取り組む▼本県の総人口は05年をピークに減少している。なにもしなければ加速度的に進む。関係人口の創出・拡大が防波堤の一つになってくれればと願う。