県内2人目の感染確認を受けた記者会見で、県や宇都宮市の幹部らは県民に注意喚起した=6日午後7時15分、県庁

 大阪市のクラスター(感染者の集団)が県内にも飛び火した。県内2例目となる新型コロナウイルスの感染者は、大阪市で感染者が相次ぐライブハウスとの関連が指摘されている。「先が見通せない」「休止も検討しないと」。小規模で人が密集する施設は県内にも多くあり、関係者からは6日、苦悩の声が上がった。

 宇都宮市東塙田1丁目のライブハウス「ビートクラブスタジオ」の横須賀完二(よこすかかんじ)代表(57)は「うちはCD制作の請け負いやレコーディング利用が中心だが、ライブ中心の店はかなり厳しいはず。県外には倒産した店もあると聞いた」と打ち明ける。

 店の性質上、建物は防音性が高い分、換気性は悪いのが実情。感染対策として、14日までライブイベントを自粛しているほか、レコーディングの利用客らにはマイクなど機材の消毒や、体調に不安がある際に利用を控えるよう呼び掛けている。

 「この時期は大学生サークルの卒業ライブ、歓送迎会を兼ねた社会人のライブなど需要が高い。いつまで耐えれば事態が好転するのか、見通せないのがつらい」とため息をつく。

 「休講するかどうか検討している。もしも感染者が出たらと考えると…」

 県南でヨガスタジオを主宰する女性は悩む。通常とは異なり、レッスン中もスタジオの窓を開け、換気扇もつけたままにする。講師の側もマスクをつけ、口頭中心で会員に直接触れる指導は控えるなど対策を徹底してきた。

 一方、本県で初の感染者が出たときは、居住市町名の発表がなく「自分の市町内ではないか」と不安になり、その後、他県で感染者がヨガ施設を利用していた事例も明らかになった。同業他社で休止する施設も出ている。「休む決断もかなりの覚悟が必要」。余裕はどんどんなくなっている。

 政府が発表したクラスター感染の事例にはスポーツジムも含まれる。小山市駅東通り2丁目の「イーグルスポーツプラザ小山」は6日までに、9日から5日間の臨時休館を決めた。運営会社の担当者は「政府の要請や世の中の流れを受けて判断した」と説明した。

■「拡大止める重要時期」 体調不良は相談窓口へ

 県内2人目の新型コロナウイルスの感染確認を受け、県は6日の記者会見で「感染の広がりを止める重要な時期」と強調した。感染拡大防止のため、2人目の感染者となった30代女性が勤務する生活雑貨店「ロフト」を2月25日に訪れて体調不良などの症状がある人に対し、最寄りの相談窓口に連絡するよう呼び掛けた。

 県は感染拡大防止の観点から、女性の勤務先を公表した。女性が主に客との接触が少ない品出し作業に従事していたことなどを理由に、宇都宮市の担当者は「客への(感染)リスクは低い」とみている。

 ただ、女性が勤務するのは多くの人が訪れる商業施設。2月25日の勤務中に女性がマスクを着用していなかったこともあり、他者への感染の可能性があるという。県は、広域健康福祉センターなどへの速やかな申し出によって感染拡大を防ぎたい考えだ。

 体調不良がない場合でも県の担当者は「多くの人が不安になっていると思うので、丁寧に相談対応したい」と述べた。