被告は有罪か、無罪か。検察側と弁護側が真っ向から対立した今市事件の公判は、最高裁の上告棄却決定で被告の無期懲役が確定する。一審宇都宮地裁の裁判員裁判、二審の東京高裁ともに「有罪」と結論付けたが、その事実認定や根拠は大きく変わる異例の展開を見せた。被害女児をいつ、どこで、どのように殺害したのか。確定する二審判決は示していない。一方で先例的な司法判断もあった。二審判決は、取り調べの録音録画映像を自白の信用性の判断に用いる危険性を指摘した。

 事件発生から8年半後の2014年、殺人容疑で勝又拓哉(かつまたたくや)被告(37)は逮捕された。捜査段階で殺害を「自白」したが、供述を変遷させ、公判では無罪を主張した。

 ポイントになったのは被告の自白の信用性だった。