上告棄却決定を受けて記者会見する弁護団=6日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ

 「強い怒りを覚える」「断腸の思い」。最高裁の上告棄却を受け、勝又拓哉(かつまたたくや)被告の弁護団は6日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開き、怒りや疑問の声を上げた。勝又被告も、接見した弁護士に「直接的な証拠がないのに、有罪を是認したのは全く承服できない」などと語ったという。

 弁護団として「ある程度の手応え」を感じていたというだけに、記者会見した弁護団の面々には落胆の色が浮かんだ。主任弁護人の一木明(いっきあきら)弁護士は「理由らしい理由も付せずに棄却の決定を出した。こんなことで司法は国民の信頼を得られるのか」と憤りを隠さなかった。

 弁護団が最高裁に提出した120ページの上告趣意書に対し、被告に届いた決定書は「A4用紙1枚」。鹿島秀樹(かしまひでき)弁護士は「多くの重要な論点が生煮えのまま終わってしまい、その結果、1人の人間が長期の身体拘束を受ける。断腸の思いだ」と表情を曇らせた。

 弁護団によると、弁護士2人が同日午前、東京拘置所の勝又被告に接見。被告は「再審請求など無罪を示すために闘っていきたい」と述べたという。被告は控訴審時に比べ「体格は少しスリムになり、健康状態は良くなっている」(鹿島弁護士)。家族を心配する様子も見せていたという。

 被告の母親は下野新聞社の取材に対し「本当にショック。この裁判は一体何なのか。理解できない」と失望をにじませた。5日夕に支援者から上告棄却の一報が入り、6日朝に被告と接見した。母親は「(被告は)青ざめた表情だった」と漏らし「無実を証明する活動に今以上、力を入れたい」と強調した。被告の支援者の1人も「再審無罪になった方々のアドバイスももらいながら支援を続けたい」などと語った。