昨年夏、本県で開かれたNIE全国大会の会場は、宇都宮市文化会館だった。全国からの参加者には、駅や中心街のホテルとの行き来が多少、骨折りになったろう。思ったのは「総文センターが開いていれば」だった▼その県総合文化センターのホール棟が、約1年半の改修作業を終え、来月1日に再オープンする。収容数では宇都宮市文化会館に譲るが、立地なども含め、本県の文化発信の中心的存在であることは疑いようがない。待ち焦がれた人も多いだろう▼連日の記念イベントが花を添えるはずだった。そこに水を差したのが新型コロナウイルスだ。今月末は県内のオーケストラが集まる公演、本県出身声優による朗読劇の中止が決まった▼1日には宇都宮市出身の宮田大(みやただい)さん、翌日には辻井伸行(つじいのぶゆき)さんのコンサートがある。いずれも人気でチケットは完売。現状では催行する予定だが、場合によっては中止も考えなくてはならず、さらに先も見通せない▼昨年夏に先行オープンしたギャラリー棟の利用は、改修前より2割ほど少ない状況が続く。ホール棟が開けば、にぎわいが戻るとの期待は大きく、関係者は気をもむ毎日が続く▼一日も早い感染の終息が待たれる中で、同センター関係者は「東日本大震災でも文化は市民の力になった」。疲れ切った県民に元気も発信してほしい。