猫のふん尿が広がり、荒れ果てた男性の自宅内=高根沢町

「大丈夫、大丈夫だよ」。男性はケージの中に指を伸ばし、動物愛護団体に保護された猫に優しく語り掛けていた

猫のふん尿が広がり、荒れ果てた男性の自宅内=高根沢町 「大丈夫、大丈夫だよ」。男性はケージの中に指を伸ばし、動物愛護団体に保護された猫に優しく語り掛けていた

 飼い主が多数の犬や猫を抱え過ぎて適正に飼育できなくなる「多頭飼育崩壊」。解決には飼い主への支援が必要なケースも多く、福祉との連携が鍵とされる。高根沢町は先月、生活困窮者自立支援法に基づき、猫約30匹と暮らす町内在住の会社員男性(50)の支援に乗り出した。県内では珍しい取り組みだ。動物愛護団体などと連携し、官民協働で自宅の環境改善や生活の立て直しを図ろうとしている。

 木造平屋の室内。散乱した新聞紙の上に、猫のふん尿が広がっていた。男性は10年前に母親を亡くしてから独り暮らし。飼っていた猫が繁殖したほか、常習的に敷地内に猫を捨てられ、頭数が膨らんだらしい。

 「猫が死んではかわいそう」と収入の大半を餌代に充て、自らもキャットフードを食べた。やがて掃除が追い付かなくなり「どうすることもできなくなってしまった」と明かす。

 民生委員からの相談を受け、町健康福祉課が調査を始めたのは昨年12月。庁舎内の他部署や町社会福祉協議会、動物愛護団体、地元企業などと連携し、猫の頭数削減や自宅清掃などの支援に当たることを決めた。

 先月中旬には動物愛護団体のメンバーら約10人が猫の保護活動を実施。男性の元に繁殖制限手術をした2匹を残し、残る全頭は団体が引き取って新しい飼い主を探すという。