インド洋ダイポールモード現象について説明する山形さん(右)、左は一緒に研究している土井威志博士=2月上旬、海洋研究開発機構横浜研究所

インド洋ダイポールモード現象について説明する山形さん(右)、左は一緒に研究している土井威志博士=2月上旬、海洋研究開発機構横浜研究所

 オーストラリアの大規模森林火災と日本の今冬の暖冬傾向に関して、ある大気海洋現象が注目されている。インド洋の東側と西側で海水温に差が出る「インド洋ダイポールモード現象(IOD)」と呼ばれるもので、この現象がオーストラリアに深刻な干ばつをもたらし、日本への寒気の南下を抑えた要因とされる。IODは約20年前、宇都宮市出身で東京大名誉教授の山形俊男(やまがたとしお)さん(71)らが発見し、命名した。山形さんは「地球温暖化の影響でIODが頻発化している」と警鐘を鳴らしている。

 IODは数年に1度ほど発生する現象で、海水温の差が5、6月に出始め、秋にピークを迎えるという。19年は西側の海水温が東側より高くなる「正のIOD」が発生し、水温差は2度以上と過去最大だった。

 水温が低い東側は下降気流で高気圧に覆われ、インドネシアやオーストラリア付近に乾燥をもたらした。水温が高い西側では蒸発が盛んになり、アフリカ東部に大雨を降らせた。北半球の偏西風も蛇行させ、日本付近では北極域からの寒気の南下を抑える働きをしたという。