有害鳥獣駆除に力を注ぐ滝さん(左)とわなを手にする弟子の鈴木さん

 【日光】89歳のハンター滝栄(たきさかえ)さん=沢又=が弟子の鈴木徹(すずきとおる)さん(67)=今市=と二人三脚で、昨年1年間にシカとイノシシ計115頭を捕獲した。2018年の103頭に続き2年連続の大台。自作の「足取りわな」で有害鳥獣を駆除し続ける滝さんは「生涯現役で農家や地域の人を守りたい」と長年培ったノウハウを惜しみなく伝授している。

 県猟友会によると会員数は現在2163人。日光支部に所属する滝さんは県内屈指の高齢ハンターで、55年前に銃で猟を始めたという。この15年は独学で身に付けたわな猟が中心だ。

 鈴木さんが滝さんに出会ったのは約3年前。市内で開かれた初心者向け講習会で講師を務めたのが滝さんだった。鈴木さんは弟子入りを志願、わな猟の免許を取得した。今では滝さんの元を毎日訪ね、2人でわなを仕掛け、毎日見て回る。

 わなは滝さんが試行錯誤の末に作った。精度が高く、土に埋めたわなを獣が踏むと、ワイヤに足を捕らえられ逃げられなくなる。今市地域の山林を中心に計60カ所仕掛けてあるという。

 3月で90歳になる滝さんは足腰がしっかりしており、わなに掛かった100キロ超の大物を最後に銃で「止める」のも滝さんだ。捕獲後は鈴木さんと一緒に運び出す。連携プレーで2年連続100頭超を捕獲した。

 「イノシシは鼻が効くから同じ靴、同じズボンをはくこと」と滝さん。季節によって異なる獣道、行動範囲…。さまざまなノウハウを、鈴木さんは間近に見ながら習得している。

 一方で田畑の被害は絶えない。田植えした苗をシカが食べてしまったり、イノシシが畑をめちゃくちゃに荒らしたり。滝さんは「農家の被害を防ぎたい。直接、被害に遭うかもしれない人間を守るんだ」と語る。

 5人の弟子を育ててきた滝さんにとって鈴木さんは「最後の弟子。もう70点だ」と評価する。師匠からお墨付きを得た鈴木さんは「先生と長く一緒にできることが幸せ。これからも年間100頭を目指す」と思いを受け継ぐ。