県内で初めて新型コロナウイルスの感染が確認されてから、29日で1週間が経過した。県などが設置する電話相談窓口には、不安などを訴える相談が1日当たり最多で約240件寄せられ、件数は同日までに計2千件を超えている。検査は27日時点で54件。電話相談では、感染者に関する県の情報開示を不十分と指摘する声も相次ぐ。

 県内の60代女性がクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」を下船後に肺炎を発症し、感染が確認されたのは先月22日。県は女性とクルーズ船に乗っていた70代の夫のほか、下船後に接触した友人2人についても検査し、翌23日にはいずれも陰性だったと発表した。濃厚接触者の夫については14日間の健康観察を行っている。

 19日の第1次下船者の県内在住者は夫婦のほか5人。その後の下船者についても厚生労働省の指示に基づき電話などによる健康観察を毎日実施しており、現時点で全員異常はないという。

 県内初確認を受け、23日には県や宇都宮市が設けている相談窓口への電話が急増。1週間前の16日に12件にとどまっていた相談は、23日に239件にまで増えた。多くは「感染しないか不安」などといった訴えで、感染者の詳細な情報を求める声も相次いだ。

 県は感染者の居住地については「県南健康福祉センター管内(小山、栃木、下野市、壬生、上三川、野木町)」と公表し、具体的な市町名のほか、下船後に利用した公共交通機関も明らかにしていない。このためインターネットなどでは居住地を巡り、臆測やデマも広がる事態となっている。

 情報開示について、県は取材に対し「厚労省と打ち合わせた上で県として判断した」とし、居住地はノロウイルスなどと同様に県の広域健康福祉センター単位での公表になったと説明。今回は女性の濃厚接触者が夫のみであったことや、症状が軽症だった点も判断基準となったという。

 ただ、病院や学校などで感染が確認された場合は拡大も懸念されるため、県は「ケース・バイ・ケースで判断する」としている。