見えないウイルスとの闘いに、県内の教育現場は28日も大きく揺さぶられた。異例の臨時休校の決定に、突然「学年最後の日」を迎えた小学校では、教員が戸惑いを隠しながら「卒業式で元気に会いましょう」と児童を優しく見送った。「急に最後の日になって寂しい」「友達に会えなくなるの」。児童生徒の間にはショックも広がった。
「子どもたちにとって思い出に残る1日にしよう」。宇都宮市昭和小の職員室で、28日午前8時10分に始まった臨時の打ち合わせ。休校かどうか市教委の決定がない中、浪花寛(なにわひろし)校長(60)は「児童の不安をあおらないように」と教職員に呼び掛け、休校が決まった場合の児童や保護者への対応を確認し合った。
市教委の「3月2日から休校」の判断が伝わったのは午前11時すぎ。浪花校長はすぐに保護者へ一斉メールを配信し、休校中の児童の生活や卒業式の実施方法などを説明した。