新型コロナウイルスの感染拡大の影響が、商業施設や子ども連れが訪れる屋内施設などにも及んでいる。施設の一部は28日までに、イベントの中止や営業の取りやめを決めた。開館を続ける施設には、堂々と来客を呼び掛けられないとの悩みも。「自粛ムード」は地域の集客施設にまで広がっている。

 「どこに(自粛の)ボーダーラインを引けばいいのか。企業の姿勢が問われる難しい判断」

 宇都宮市陽東6丁目の大型商業施設「ベルモール」の担当者は苦悩する。家族連れが楽しめる週末恒例のイベントを当面3月20日まで中止した。平日の客足は通常の6割ほどと影響は確実に出ている。

 「人命第一で、感染拡大防止の動きに協力するのは企業として当然」と断言するが、「お店に来てください」と堂々と言えない状況は「本当に苦しい」と本音も漏れる。

 県北で唯一の映画館「フォーラム那須塩原」の担当者は「距離の近い劇場内で多くの方が一定の時間を過ごす。不安を感じる方もいるかもしれない」と懸念する。スタッフのマスク着用や消毒など対策は強化した。春休み期間を間近に控え、「とにかく早く終息してほしい」と気をもむ。

 足利市朝倉町2丁目の屋内遊び場「キッズピアあしかが」は27日から休業に。3月15日までの予定だが、運営する社会福祉法人足利むつみ会の担当者は「延びる可能性はある」と話す。

 県内外から年間約17万人が来場する大田原市中央1丁目の子ども向け複合施設「こども未来館」は3月2日から当面の間、休業する。一時保育と「つどいの広場」を除き、屋内遊具で人気の「わくわくランド」「キッズタウン」などは使用できなくなる。

 同市佐良土の県なかがわ水遊園は、和紙クラフトなど3月に行われる29のイベントや講座の中止を決めた。生き物に直接触れられる「タッチング水槽」も当面中止する。

 那須町湯本の「藤城清治(ふじしろせいじ)美術館」は29日午後から当面、臨時休館とする。影絵作家藤城清治さん(96)の個人美術館で冬季でも多い日は300人程度が訪れるが、マスクや消毒用のアルコールなどが枯渇しつつあるという。

 同町高久甲の「那須とりっくあーとぴあ」は「検討中」。「お客さま第一なので、状況によっては今後(休園の)判断するかもしれない」とした。