耳が遠いのは年のせいだから、このままでも仕方がない-。加齢に伴う難聴を放置してしまう人は少なくない。だが、済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科の新田清一(しんでんせいいち)医師は「認知症発症のリスクを高め、言葉の聞き取り能力の低下も招く」と警鐘を鳴らし、適切な補聴器の装着を勧める。3月3日は耳の日。いま一度、聞こえが大丈夫か確認してみよう。

 難聴は高齢者に多く見られる障害。耳から入る音を電気信号に変え、脳に伝える役割を果たしている蝸牛(かぎゅう)の細胞が加齢で衰えて聴力が低下するためで、早い人では30代で蝸牛の劣化が起こり、70代で3割、80代で半分近くの人が難聴だという。「少しずつ聞こえが悪くなるため、難聴の自覚がないまま、脳に電気が届きづらくなった“難聴の脳”になってしまう」と新田医師。