新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の拡大で、春節(1月24~30日)休暇以降も中国での生産活動を制限されていた県内企業の工場などが、現地行政の許可を得るなどして再び動きだしている。しかし生産の遅れは否めず、衛生管理の対応を迫られているほか、終息が見通せない中で不安を拭える状況には至っていない。

 異物除去などが目的の金属フィルターを製造するバンテック(佐野市)は10日に瀋陽市の工場を再開した。だが感染の拡大で12日、現地行政から稼働中止を求められ、2度の衛生管理に関する監査を経て18日午後、再度稼働にこぎ着けた。大島徹(おおしまとおる)社長は「一歩前に進んだ感じだが、物流面などで不安はある」と明かす。

 建機のウエート(重り)製造などを手掛けるツルオカ(小山市)の中国協力工場は、多くが17日から生産を再開したというものの、「ロスを取り戻すのに空輸を使うため、輸送費がかさんでいる」(担当者)。

 食品素材製造の仙波糖化工業(真岡市)は、福建省の子会社工場で生産再開を見合わせている状況だが、帰国していた日本人責任者を18日、現地へ派遣し、再開準備を進めている。

 漬物製造の遠藤食品(佐野市)が福建省に持つ協力工場は10日に再開したが、従業員の出社率が半分ほどにとどまり、原料の出荷が1週間程度遅れているという。園芸用品を委託製造する鹿沼市の会社社長は「品物は何とか港まで運べるが、輸出待ちの物資であふれ、日本に届くのは1~2週間遅れそうだ」と話す。

 またホームセンターのカンセキ(宇都宮市)では、メーカーから納品される自転車で納品時期が見通せない車種があるなど、影響が出ている。中国の部品工場で生産が停滞した関係という。需要が高まる入学シーズン向けには発注が済んでおり、担当者は「すぐに品薄になるようなことはない」と話しつつ、入荷状況を注視する。

 中国からの部品途絶で、子会社の日産自動車九州(福岡県苅田町)の工場が生産調整に追い込まれた日産自動車。栃木工場(上三川町)は現時点で生産ライン停止の必要はなく、稼働を続けている。