2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会と東京都は15日、3月に始まる五輪の聖火リレーに先立ち、都内でリハーサルを実施した。羽村、国分寺、八王子の3市でランナーが実物のトーチ(長さ71センチ、重さ1・2キロ)を持って、計約2キロのルートを約200メートルずつ走った。
ルート周辺では交通を規制し、ランナーの前後にスポンサーや運営側の車両が長い列をつくった。トーチには点火しなかったが火がついている想定で受け渡し、車両隊列の動きなどを確認した。
羽村市のスポーツセンターで出発式を実施。聖火リレーの公式アンバサダーで、本番では長崎県を走る女優の石原(いしはら)さとみさんもランナーとして参加し「すごく緊張したけれど、沿道の皆さんが手を振ってパワーをくれた。うれしくてあっという間だった」と話した。
国分寺市では、車両が通れない清流沿いの遊歩道「お鷹の道」を走り、車両隊列を伴わない走行を試した。八王子市でこの日のゴール地点の公園に到着後、本番用イベントも実施。最後のランナーが会場に登場し、トーチに火がついている想定でステージ上の聖火皿に火をともすと、会場から拍手が上がった。
スタート時間が遅れるトラブルもあり、組織委の担当者は「課題を整理して本番に備えたい」と総括した。
リハーサルには、組織委のスタッフら千人規模が参加。グループで走る区間もあり、約20人が走った。市民の他、自治体関係者ら約500人が視察に訪れた。新型コロナウイルスによる肺炎感染拡大の影響か、マスク姿の人もいた。
聖火リレーは3月26日に福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」をスタートし、121日間で全国47都道府県を回る。リレーに参加する走者は約1万人に上る。