大田原市の津久井富雄(つくいとみお)市長は14日、2020年度予算案発表の記者会見で、県内市町で唯一実施している小中学校給食費の完全無料化を見直し、新年度から保護者に20%の自己負担を求める方針を明らかにした。市の厳しい財政事情を踏まえて進める「聖域なき行財政改革」の一環で、12年10月から7年以上続けてきた主要公約が軌道修正される。

 津久井市長は「苦渋の選択だった。市単独補助金を一律20%以上削減するなど非常に厳しい予算編成をする中、公約だから聖域として守られるというのは危険な財政運営になる。熟慮の末に判断した」と述べた。

 給食費無料化は、10年に初当選した津久井市長の目玉公約。11年度は東日本大震災の復旧・復興に予算を振り分けるため一律2千円の補助に切り替えて実施したが、12年度に完全実施に踏み切った。

 市の給食費月額は小学校4300円、中学校5千円。計28校の児童生徒約5400人の無料化のために本年度は約2億5400万円を計上した。保護者に20%負担を求めることで、新年度の予算額は前年度比約6200万円の減額となる。津久井市長は「一番大きな公約。なるべく早い段階で健全財政の道筋をつけ、復活できれば」とも述べた。

 文部科学省の教育委員会調査によると、17年度に公立小中学校で給食費を無料としたのは大田原市を含め全体の4・4%と少ない。栃木市の大川秀子(おおかわひでこ)市長も18年、給食費無料化を公約に掲げ初当選したが、新年度予算への計上は見送っている。