栃木県民はがんの罹患(りかん)率や気候、生活習慣が近しいお隣の群馬県民と比べ、がん精密検査の受診率が低く、診断や発見が遅れることで死亡率が高まっている-。そんな可能性を指摘する分析を、県健康増進課が11日までにまとめた。同課は分析を基に、精密検査の受診を呼び掛け、死亡率の低下につなげたい考えだ。

 厚生労働省が昨年公表した2016年全国がん登録の報告を中心に、各種データと合わせて分析した。

 人口10万人当たりの発生数を低い順に見ると、本県のがん罹患率は378・8人で全国6位。群馬県も370・4人で4位と、両県とも患者数が少ない傾向にあった。一方で死亡率は群馬県が6位(69・8人)のところ、本県は40位(80・7人)と大きく水をあけられている。

 本県の定期的ながん検診の受診率は、胃・大腸・肺・乳・子宮頸(けい)の各がん種別のうち、肺がん以外で群馬県と全国平均を上回った。ただ、早期発見につながる、その後の精密検査の受診率を見ると、胃がん以外で全国平均より高くなったものの、いずれの種別も約5~10%、群馬県を下回った。

 群馬県の受診率は全国的にも高く、同県保健予防課の担当者は「市町村の保健師が、精密検査を必要とする人に個別で受診状況を確認している」ことが要因の一つと推測。一方、本県にも同様の取り組みを行う市町はあり、県健康増進課の担当者は「(両県の取り組みに)大きな違いはないはずだが」と首をかしげる。

 本県のがん診断・発見が遅れている可能性は、診断時にがんが転移している割合が、群馬県や全国より高いことからも推察できる。同課は「精密検査の受診率向上を目指し、啓発活動に取り組んでいく」と、分析を今後の施策に反映させていく考えだ。