高齢化や担い手不足、収益性の低さなど将来的な懸念が消えない日本農業。一方で6次産業化や農福連携など、新たな可能性も広がっている。それに連れ、社会的な評価にも新しい視点が求められている▼昨年まで県内の優れた農業者などを顕彰してきた「元気な農業コンクール」が、「県農業大賞」に装いを変えた。農村活性化の部は、地域資源や幅広い人材の活用などを重く見るようになったという▼同部門の栄えある初代大賞には、小山市のNPO法人「げんきフォーラム桑」が選ばれた。以前のコンクール受賞者は、純農村地域の村おこし的な団体が多く、目の着けどころの変化がうかがえる▼拠点の同市桑地区は、かつては農業地帯だったが急速に都市化が進展している。現在の農家数は全世帯の6%にすぎない。新住民が増える中、同法人は急がれるコミュニティー形成や高齢化への対応に取り組んでいる▼農業はその手法の一つとなっている。不耕作地も活用してエゴマや桑を栽培し、加工品を生産・販売する。高齢者に働く場を提供するなど成果を上げている。また各種事業を通じ、地域の一体感を醸成している▼晴れの表彰式は12日。同法人に限らず、受賞者たちの取り組みがこれまでにない目標となり、本県の農村を取り巻く環境が良くなっていくことを願ってやまない。