2017年3月、那須町湯本の国有林で大田原高の生徒と教員の計8人が亡くなった雪崩事故で、防災科学技術研究所の研究員などによる専門家グループが「雪崩は人為発生の可能性が高い」とする調査結果を学会で発表していたことが7日、分かった。雪上歩行訓練で斜面が刺激され表層雪崩につながった可能性を指摘した。

 調査の要約によると、専門家グループは事故から6日後に撮影した現地の航空写真を解析。その結果、亡くなった8人がいた1班(14人)と、2班(9人)とみられる足跡の列の痕跡が斜面に残っていることを確認した。

 一方で足跡の列の痕跡や雪面に残る亀裂の位置、現地の地形などから雪崩の発生域を推定。足跡の痕跡が、推定した雪崩の発生域に近いことが分かったことから、「二つの班が斜面に入り込むことで表層雪崩が起きたと考えるのが自然」とし「雪崩は人為発生の可能性が高いと考えられる」と結論づけた。

 専門家グループは17年度、国の補助を受け事故の調査研究に当たった識者らの一部で構成。調査結果は19年9月、山形市で開かれた雪氷研究大会で発表された。

 県教委が設置した第三者による事故の検証委員会は17年10月にまとめた報告書で、雪崩が自然発生か人為的かについて「特定は難しい」としていた。

 検証委の副委員長だった西村浩一(にしむらこういち)名古屋大名誉教授(雪氷学)は今回の調査結果について「雪崩が人為発生した可能性はあるが、雪崩で足跡が残っているものかを含めさらに検証が必要」とする一方、「雪崩の発生要因にかかわらず、気象状況などから現地で雪崩の危険性が高まっていたことは確か」とした。

 事故が起きた登山講習会を巡っては県警が19年3月、業務上過失致死傷の疑いで、講習会責任者だった当時の県高校体育連盟登山専門部専門委員長ら男性教諭3人を書類送検した。