壬生町北小林の獨協医大病院で2019年9月、肝臓がんの手術後に入院していた日光市、男性患者(76)が不要な腹部のコンピューター断層撮影(CT)検査を受け、その際に投与された造影剤でアナフィラキシーショック(急性アレルギー反応)を起こし翌月に死亡していたことが7日、同病院などへの取材で分かった。同病院は、CT検査の中止が医師らの間で共有されず、必要のないCT検査が行われたなどとして重大な医療事故と判断。事故の調査結果をホームページで公表した。

 同病院によると、男性は19年9月中旬、肝臓がんの手術で入院。手術から数日後、胆汁が漏れる症状が現れたため、担当医らは腹部をCT検査した後、治療を進める方針を決めた。

 しかしCT検査を複数の別の患者が受けていたため方針を変更。先に治療を進めた結果、成功したためCT検査の必要がなくなったという。医師がCT検査の中止を看護師に指示したが、他の医師らには伝わっていなかった。

 CT検査で造影剤が投与された後、男性の容体は急変し呼吸停止などの症状が現れた。病院側は治療を続けたが、男性は同10月下旬に多臓器不全で死亡した。

 事故後に同病院が設置した院内調査委員会は、電子カルテからCT検査の実施方針が削除されなかったことも不要な検査につながったと認定。担当医が、手術前の検査で男性に軽度の造影剤アレルギーの症状がみられたことを確認せず、CT検査を依頼したことも問題点として挙げた。

 同病院の平田幸一(ひらたこういち)院長は「再発防止に向け、病院全体で改善の取り組みを徹底する」とコメント。再発防止策として、CT検査などに関する承諾書に医師がアレルギー反応を確認する項目を設けたほか、電子カルテのシステム変更も検討しているとした。