報道陣に公開されたスマートエネルギーセンターの施設=6日午後2時、宇都宮市清原工業団地

 省エネルギーなどを目的に、都市ガスを燃料に作り出された電力と熱を複数事業者に供給する「スマエネ事業」が宇都宮市清原工業団地で本格始動した。連携して取り組む東京ガスなど5社は6日、拠点となる清原スマートエネルギーセンターを報道陣に公開した。内陸の工業団地では日本初の試みで、災害時の安定的な電力調達にも貢献する。

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 同センターは東京ガスの完全子会社、東京ガスエンジニアリングソリューションズ(東京都港区)が運営する。団地内にあるカルビー、キヤノン、久光製薬の7事業所への全面供給が2019年12月に始まった。投資額は約100億円。

 電力と熱を同時に作り出す6基の大型ガスコージェネレーションシステム(CGS)を備えており、発電出力は計約3万4千キロワットに上る。近接するセンターから供給することで送電ロスを減らし、廃熱を有効利用する。

 設備を効率よく稼働させるため、各事業所のエネルギー需要を予測するシステムも導入した。7事業所の15年度実績に比べ20%の省エネと二酸化炭素(CO2)削減が可能という。

 災害に強い中圧ガス導管から供給される都市ガスを燃料とするCGSは、非常時にも強みを発揮する。各事業所まで独自のエネルギーインフラ網を敷き、停電時でも6~7割の熱電を供給できる体制を整えた。

 同日、宇都宮市内のホテルで共同記者会見に臨んだ東京ガスの内田高史(うちだたかし)社長は「産業用分野の省エネルギーがなかなか進まない中、(この仕組みを)日本全体に広げていくならば省エネ省CO2に大きく資する」と述べた。