笠間焼(茨城県笠間市)は江戸時代、信楽焼(滋賀県甲賀市)の陶工の指導で誕生した。笠間焼を学んだ陶工が益子焼を始め、笠間と益子の陶芸の里は兄弟関係にある▼放映中のNHK連続テレビ小説「スカーレット」は、信楽を舞台に女性陶芸家の波瀾(はらん)万丈の生涯を描いている。2度ほど益子の名が出てきたと記憶しているが、歴史のつながりを考えると一段と興味が湧く▼笠間と益子は古代から同じ文化圏に属し、中世の鎌倉時代は笠間氏、益子氏は宇都宮家の一族だった。両市町は、「焼き物」を軸に「かさましこ~兄弟産地が紡ぐ“焼き物語”」をタイトルとして日本遺産認定を文化庁に共同申請した▼益子町は過去3回単独で申請してきたが、小手先を変えただけでは通らないと判断し、笠間市との連携にかじを切った。中世にさかのぼる歴史的魅力や、合わせて600人を超える陶芸家が活躍する窯業地は世界的にもまれといった特色などで勝負する▼日本遺産は間もなく一区切りを迎える。東京五輪・パラリンピックが開催される2020年を目安に100件程度を目標としているため、20年度新規認定分で最後となる▼残る枠は10件ほど。焼き物関係では2件が日本遺産に認定されているが、いずれも西日本と偏る。東日本を代表する窯業地として5月の朗報を待ちたい。