酒だるを半分に割ったような壁掛け用飾りだるを持つ坂本社長(右)と妻の美枝子さん=下野市

 インターネットで祝い事用のたる酒販売を手掛ける坂本商店(栃木県下野市仁良川、坂本達也(さかもとたつや)社長)は、独自に考案した壁掛け用飾りだるの本格販売に乗り出した。和食ブームで日本酒輸出も伸びる中、海外で日本文化を象徴する物の一つに捉えられている酒だるを、縦半分に割った形にして、壁に飾ることができる点が特徴だ。

 坂本商店は創業100年を誇る酒類販売店。規制緩和を受け販売競争が激化する中で2000年、ネット販売を始めた。03年には大手通販サイトに出店した。規模の大きな同業者に対抗する策を考える際、たる酒に着目した。

 たる酒を取り扱うようになって初めて入った注文は、顧客の開店祝いに贈りたいというメガバンクの本店からだった。結果、「とても目立ってよかった」との感想も得たことから、ネットの取扱商品はたる酒に特化し、ネット店舗の名称を「樽酒(たるざけ)屋」に変えた。

 需要に応じ鏡開き用の木づちを取り扱うようになったほか、外観は酒だるのプラスチック製容器を開発した。杉材を使う酒だるは検疫の関係で海外へ出せないためで、この容器に現地で調達した酒を入れ、日系企業などが鏡開きに使っているという。

 18年の日本酒輸出額(速報値)が前年比19・0%増の222億円と伸びる中、壁掛け用飾りだるは、拡販ツールなどとしての需要を見込む。外観は酒だるそのものだが中身は発泡スチロール。昨年9月に意匠登録した。実際に海外で使った天鷹酒造(大田原市)営業部海外・企画担当の志賀守(しがまもる)さんは「スペースを取らず、持ち運ぶのも飾るのも便利」と話す。

 価格は税別1万8千円。坂本商店は日本貿易振興機構(ジェトロ)の海外需要開拓プログラムに参加している。その支援に期待を寄せる坂本社長は「和食レストランのディスプレーにも使える。海外にどんどん販売していきたい」と意気込んでいる。