県は2020年度、デジタル化を推進し、人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)などの未来技術を活用した施策を展開する。20年度一般会計当初予算案にさまざまな新規事業を盛り込み、AIを活用した効果的なイチゴ栽培や、民間企業の実証事業誘致などに取り組む方針。本県に関心を持つデジタルメディアユーザーへのマーケティングも強化する。未来技術の活用で地域課題の解決や本県の効果的なPRを図る。

 福田富一(ふくだとみかず)知事は20年度、自身を本部長とする庁内横断組織「ソサエティ5・0戦略本部」を発足させる。デジタル戦略の全庁的な企画立案やマネジメントを担う「デジタル戦略室」も総合政策部内に新設する考えで、各部局と連携し施策を進める。

 農業ではイチゴ栽培にAIを活用したモデル事業に着手する予定。ビニールハウス内の気温や湿度、日照時間などの各種データを県内農家から収集しAIで蓄積、分析する。その結果を生かし、クリスマスなど需要が高い時期に合わせ最適な出荷につなげることなどを狙う。当初予算案に約3100万円を計上し、数年後の実用化を目指す方針だ。

 産業分野では、県内をフィールドに未来技術を活用した民間企業の実証事業を誘致する。ノウハウを持った民間のアドバイザーを配置して複数の企業の実証事業を支援し、将来的な企業誘致も視野に入れる。

 自動車や航空機といったものづくり産業でも、生産性向上を狙いAIなどを活用する。サプライチェーン(部品の調達・供給網)を構成する企業間で生産工程の情報などを共有できるシステムの構築を支援する。

 一方、県は各分野でデジタルマーケティングを強化し、関連事業費として計1億5100万円を盛り込む考え。本県関係サイトへのアクセス者に動画投稿サイト「ユーチューブ」で専用の動画広告を流すなどの手法を用いる。広告閲覧者の年齢や居住地などのデータを分析し、さらに効果的なプロモーションにつなげる。

 低迷する本県のブランド力向上対策として、首都圏と関西圏向けにPR動画広告を配信する。UIJターン促進や関係人口創出に向け、本県について調べているユーザーを狙った広告を展開する。婚姻件数増加や、国内外からの観光誘客促進にもPR動画広告を活用し、県産農産物に関心を持つ層のデータ収集などにも取り組むという。