東京五輪・パラリンピックと日程が重なる祭りや花火大会の中止、日程変更の動きが都内を中心に各地で相次いでいる。理由は警備の人材を十分に動員できないことにある▼県内では宇都宮市で毎年8月第1土、日曜に開かれる「ふるさと宮まつり」の日程が9月19、20日に変わった。45回目の節目の年で、初めての変更である。8月第1土曜日の「足利花火大会」や、第2土曜日の「うつのみや花火大会」も順延が決まっている▼足利商工会議所によると、昨年の足利花火は警察や消防、警備会社などから700人近くが警備に関わった。54万5千人の観客の安全を確保するには、相応の人員が必要となる。県内各地の夏の風物詩の延期は当然だろう▼宇都宮市の警備会社の担当者は、警備の在り方の契機となったのは、2001年7月に発生した明石花火大会歩道橋事故だと指摘する▼死者11人、重軽傷者247人を出した群衆事故で、雑踏対策を軽視していたとして明石市、兵庫県警、警備会社の責任が問われた。「今や詳細な警備計画なしに大規模イベントの開催は難しい」と言う▼五輪期間中の来場者数は延べ約1千万人と予測されている。猛暑の中での開催というリスクも考慮する必要がある。観客や大会関係者などの安全・安心は、ひとえに警備体制の充実にかかっている。