【宇都宮】市と芳賀町が2022年3月の開業を目指す次世代型路面電車(LRT)の整備工事が本格化している。全17編成の車両に対応する車両基地やトランジットセンター(TC)などの整備に既に着手、ハードの輪郭が見えつつある。20年度後半には最初の車両1編成が完成し、レールの敷設も始まる。

 工事が進むのは、JR宇都宮駅東口から芳賀・高根沢工業団地の優先整備区間(14・6キロ)。18年6月に着工し、時間を要する大きな構造物から手を付けた。清原工業団地などを通って停留場19カ所と、マイカーなどからLRTに乗り換えるTC5カ所を整備する見込みだ。

 市によると、LRT整備費は国の支援約229億円を含め約458億円(うち芳賀町分約23億円)。建設中の鬼怒川の橋整備に約46億円、車両製造に約75億円かけるほか、用地買収、軌道を敷くため道路各所で行われている中央分離帯の撤去などにも多くの費用を支出している。

 下平出町の新4号国道西側の約4ヘクタールでは、車両基地の造成や、新4号国道を渡るトンネル工事が進む。車両の検査や整備を行う「検修庫」の新築工事費約に11億円、基地につながる平出町停留場信号設備工事費約4億円の補正予算などが昨年12月議会で可決された。運行を一括管理する管理棟も建てられる。

 鬼怒川の橋は11月~翌5月の渇水期に工事が実施され、まもなく橋脚に橋桁が設置される見込み。川左岸の立体部分も橋や擁壁が造られ、形になりつつある。清原工業団地からゆいの杜に向かう野高谷立体区間の橋、擁壁工事も始まった。

 清原工業団地トランジットセンター(約6千平方メートル)造成工事も進み、20年度後半、工業団地の中のエリアからレールを敷く。3両1編成の車両について、既に鉄道車両メーカー、新潟トランシス(東京)に走行設備や行き先表示器などの部品を発注した。

 一方、必要な用地取得は昨年11月現在、約80%に当たる約9万8千平方メートルを地権者と契約済みという。