3月3日の桃の節句を前に、人形の街として知られる佐野市で、ひな人形作りが大詰めを迎えている。
同市植下町の吉貞人形工房では、吉田哲也(よしだてつや)社長(58)らが手作りで人形制作を行っている。胴体に当たるわらの束を2種類の包丁で削ったり、人形に着せる着物に裏地を施したりと、細部までこだわる制作には200以上の工程を要するという。
23日は、吉田社長が人形に最終的な仕上げを行い、一体一体に頭部を丁寧に差し込んでいった。吉田社長は「人形に触ったときの柔らかな風合いを大事にしている。ひな人形は飾るだけでなく、実際に触れてみてほしい」と話している。