「汁飯香の店 隠居うわさわ」から庭園を紹介する上澤社長=日光市今市

 「日光みそのたまり漬(づけ)」醸造元の上澤梅太郎(うわさわうめたろう)商店(日光市今市、上澤卓哉(うわさわたくや)社長)は3月下旬、本社西隣に日本庭園のある伝統家屋を「汁飯香(しるめしこう)の店 隠居うわさわ」として開店する。観光客やインバウンド(訪日外国人客)などを対象に自社のたまり漬けとみそ汁、ご飯を基本にした「一汁一菜」型の朝食を提供し、伝統的な和食の魅力を発信する。

Web写真館に別カットの写真

 日光街道の宿場町だった旧今市市街地では、かつて古い商家が奥に庭園を構えていた。ただ、今では上澤家に「隠居」として残る庭園(広さ約1320平方メートル)と築約150年の伝統家屋くらいしかないという。庭園は梅やしだれ桜、フジ、アジサイ、カエデなど四季の樹木、草花を楽しめる。

 上澤社長は2000年9月から毎日、自身のブログ店主日記と共にその日食したみそ汁付き朝食など3食を写真で紹介し、一汁一菜型和食の良さを発信し続けている。3年前からは隠居で月1回の朝食会を催し、一汁一菜型和食の普及に努めているが、業界全体では漬物、みその需要が伸び悩んでいる。

 一方、今市地区では民泊事業者が増え、それを利用するインバウンドや、道の駅で車中、夜を明かす旅行者も少なくない。しかし市街地には朝食を提供する店がなく、多くがコンビニを頼っているという。

 隠居うわさわは午前8時半に開店し、インバウンドや観光客を対象に、たまり漬け、みそ汁、ご飯の一汁一菜を提供する。また和食「了寛(りょうかん)」(宇都宮市吉野1丁目)の田巻了寛(たまきのりひろ)さんの指導を受けた肉や魚などの和食料理や「清開」「柏盛」など地酒も用意し、庭園を眺めながらゆっくり味わえるようにする。注文受け付けは午後0時半まで。

 上澤佑基(うわさわゆうき)取締役は「さまざまな方からこの隠居でたまり漬けを食べたいという声をいただいていた。今は和食といっても幅広いが、漬物、みそ汁、ご飯の一汁一菜型の食卓と再定義し、昔から続く和食文化の豊かさを世界に広めたい」と話している。