谷中村史跡の共同墓地で修繕作業をする水野さん=14日午前、栃木市藤岡町の渡良瀬遊水地

 足尾鉱毒事件に伴う旧谷中村の強制廃村で移住した村民の子孫の男性が、渡良瀬遊水地にある谷中村史跡で、延命院跡の共同墓地の修繕作業を行っている。男性は茨城県古河市北町、石材業水野清(みずのきよし)さん(83)。墓石や石碑に倒壊や盗難の恐れがあることから、自主的に無償で取り組んでいる。「『こういう歴史があったんだ』と教えてくれる場所。これからも残っていってほしい」と強く願いながら、作業に汗を流す。

 水野家は村役場の北隣に住居を構えていたという。水野さんの曽祖父要右エ門(ようえもん)さんの代の1905年ごろ、古河市に移った。旧谷中村が強制廃村となり、残留民の家屋が取り壊されたのは07年。村民だった先祖の話を小さい頃から聞いていた水野さんは、40歳代のころに初めて史跡を訪れて以来毎年、先祖が眠る共同墓地への線香上げを欠かさず行っているという。