「阪神大震災を忘れないで」と語る秋山さん=17日午後、上三川町上蒲生

「助け合うことの大切さを震災で実感した」と語る西橋さん=17日午後、真岡市物井

「阪神大震災を忘れないで」と語る秋山さん=17日午後、上三川町上蒲生 「助け合うことの大切さを震災で実感した」と語る西橋さん=17日午後、真岡市物井

 阪神大震災の発生から25年を迎えた17日、県内で暮らす被災地出身者には変わらぬ思いがある。「助け合うことの大切さ」「故郷の力になりたい」。時は流れ、元号も平成から令和に変わったが、「経験を伝え続ける」と次世代への継承を改めて胸に刻んだ。

■風化防止にコンサート 上三川の秋山さん

 「風化させない」。兵庫県明石市出身の上三川町上三川、主婦秋山幸(あきやまみゆき)さん(63)は毎年1月、同町内で「阪神大震災を忘れないコンサート」を続けている。

 下野市出身の夫と結婚し40年ほど前に同町内へ移り住んだ。友人とフォークバンドを結成して音楽活動に熱中していた38歳のとき、巨大な地震が故郷を襲った。

 直後、明石市に1人で住む父から電話が入った。「こっちは無事だ」。しかしそれ以降は固定電話がつながらない。秋山さんは小銭を握りしめ、近くの公衆電話へ何度も走り、連絡を取り合った。

 実家へ駆けつけたのは発生から1週間後。屋根は剥がれ、壁は崩れていた。父は近所の人に助けられ無事だった。だが生まれ育った街並みは「爆撃を受けたよう」に変わり果てていた。

 「故郷の力になりたい」。2003年1月、大震災をテーマに1回目のコンサートを仲間とともに開いた。以来、「震災の記憶を心に刻んでもらいたい」との思いを込め毎年開催している。

 18回目となる今年は19日午後1時から、同町の上三川いきいきプラザで開く。秋山さんは「防災意識の大切さを一人一人が再認識する機会にしてほしい」と願っている。