時代の流れとはいえ、一抹の寂しさを感じた。

 昨年12月に開かれた県野球連盟理事会で、1984年から毎年夏に開催されてきた「町内選抜学童軟式野球大会」の中止が決まった。

 同大会は年間でメインの大会である県学童大会の予選で敗れたチームが、より多くの試合を経験できるようにと企画された。ただ、年月の経過とともに審判員の確保が難しくなり、気温の変化による熱中症も問題となった。

 二十数年前の新人時代は同時期に二つの県大会を行うことに疑問を感じたが、取材を重ねるうちに実感した。球児に大会の大小や「格」など関係ない。うれしさ、悔しさ全てひっくるめての「試合に出た経験」こそが野球を続ける原動力になる。県学童大会が脚光を浴びる陰で、町内選抜大会は「野球離れ」を食い止める役割を担ってきたのではないか。

 スポーツは強い選手やチームだけのものではない。記者の一人として町内選抜大会に込められた精神を胸に刻みたい。