JAしおのや(さくら市桜野)の組合員農家二十数軒が2015年11月~17年7月にかけ、中国人技能実習生計29人を、法定を下回る残業代で働かせ、計約1180万円を支払っていなかったことが9日、同JAなどへの取材で分かった。同JAなどによると、実習生の指摘を受け各農家などは17年8月までに全額を支払ったが、これまで日光労働基準監督署が同JAに農家への指導徹底を求めたほか、東京入国管理局が同JAと各農家に対し新規の実習生受け入れ許可を取り消したという。

 実習生は監理団体の同JAが仲介し、各農家が受け入れた第18期実習生の中国人女性29人。残業代は最低賃金の約1・3倍に当たる額(1時間当たり約1千円)で支払うべきだったが、各農家ともこれを下回る同600円で支払っていた。

 実習生1人当たりの不払い額は数万円から60万円前後に上ったという。昨夏に実習生側がストライキを起こすなどし問題が発覚。農家側が総額の3分の2、中国の送り出し機関が残りを実習生に補填した。18期生は昨年10月末に帰国、同11月から3年間受け入れる予定だった19期生約30人の受け入れ許可が取り消された。

 残業代を法定未満とした理由について、受け入れ農家側は下野新聞社の取材に「違法と分かっていたが、現行の法制度が整う以前の単価を漫然と引き継いでしまった」などと説明した。 受け入れ農家でつくる「アグリマネージ21振興協議会」は数年前、法改正に合わせ単価を引き上げるかどうか協議したものの、多数決の結果、現状を維持することを決めたという。