土砂流入で現在も利用ができなくなっている大桶運動公園多目的競技場=3日、那須烏山市大桶

 昨年10月の台風19号の影響で、被災したり利用中止となった県内のスポーツ関連施設や都市公園などのうち、少なくとも栃木、佐野、鹿沼、那須烏山の4市15カ所で復旧の見通しが立っていない。「今までにないひどい状況」「市民生活が優先だが、早く復旧させたい」。各市町の担当者は3カ月たった今も、対応に頭を悩ませている。

 まるで一面が干上がった田んぼのようだった。那珂川の河川敷にある那須烏山市の大桶運動公園多目的競技場。グラウンドには流入した大量の土砂が堆積したままだ。

 同市生涯学習課スポーツ推進室によると、台風19号で那珂川が増水し、同公園は水浸しに。管理棟も床上35センチまで浸水し、放送機材が故障した。

 同公園は2022年「いちご一会とちぎ国体」のアーチェリー競技開催予定地。倉庫もシャッターが壊れ、保管していたアーチェリー用の畳や防矢ネットなどが破損した。同室の相ケ瀬仁志(あいがせひとし)課長補佐は「すぐに国体が頭に浮かんだ。再び被災する可能性も考えた」と振り返る。

 被災状況をすぐに県の担当部局に報告。同市緑地運動公園への会場変更で、競技団体などの同意も取り付けた。相ケ瀬課長補佐は「駐車場の確保など新たな課題はあるが、コンパクトな運営ができると思う」と話す。

 一方、大桶運動公園の復旧見通しは立っていない。「どこまで修復するのかもある。国からの補助金の関係もあり、計画自体が立てられる状況にない」と声を落とした。

 広大な敷地や駐車場がある運動公園は、災害ごみや土砂の一時集積場としても活用された。災害ごみを県内最多6万9千トン余りと推計する栃木市は、市総合運動公園の東駐車場や都賀市民運動場などが集積場となった。

 既に災害ごみは撤去されているが、市教委生涯学習部スポーツ振興課の飯島正則(いいじままさのり)課長は「舗装が破損したり、ガラスなどの残留物がある。土の場所は表土を削って入れ替える処理をしないと開放できない」と安全面を憂慮している。