天皇陛下の代替わりに国中が沸いた令和元年。本県にとって、大嘗祭(だいじょうさい)の主役は献上米を出す「悠紀斎田(ゆきさいでん)」に選ばれた田んぼのある高根沢町だった▼当時の熱気を、いかに今後に生かすかは大きな課題である。一気に上がった知名度を活性化につなげたいが、人的交流を図るにしても目玉となる拠点の少ない同町。期待されるのが、道の駅として4月に再出発する「元気あっぷむら」だ▼突然にも見える衣替えだが、加藤公博(かとうきみひろ)町長は7年前の就任当時から構想を持っていた。「田舎の温泉施設」の先行き懸念と、全国区になり得る道の駅の看板の魅力が背景にあった▼始動は2年前の春。自ら調査に着手し、半年後には担当課を設置した。幹線道路に接していない立地、宿泊施設(グランピング)設置など、全国的にも例のない計画は、国土交通省の理解がなかなか得られなかった▼性急な動きは、地元から疑問視もされたが、「ビジネスは悠長にやっていたら駄目。施設が死んでしまう」と推進した。銀行マン時代に培った感覚なのだろう▼県内の道の駅は農産物直売、レストランとも好調で、昨年まで5年間の利用者の伸びは30%を超える。同町の施設が、この流れに乗るためには町民の取り組みが欠かせない。道の駅でも、献上米と同じ「とちぎの星」に。重要な令和の2年目になる。